
今回は最終回として、アンケート結果や実際の体験談を基に、制度が抱える現実的な問題を客観的に検証します。
前回の記事はこちら↓

「緑の雇用」、希望と失望の現実③~緑の雇用の研修体系とメリデメ~
研修生のアンケート
九州3県と四国1県で「緑の雇用」研修生(5年目未満)を対象に、2019年と2020年に実施されたアンケートの調査結果です。県別
給与については、↓こちらで全産業平均と比較しています。

「緑の雇用」、希望と失望の現実②~データで見る「緑の雇用」の成果~
全国有数の木材生産量を誇る林業の盛んな県であり、事業量の増加により収益性が向上し,経営が安定することによって給与や福利厚生など待遇が改善に繋がっている
と推測されています。
経営形態別(事業体別)
森林組合と他の林業事業体(株式会社や合同会社など)に分けた不満足要因でも違いがありますが・・・緑の雇用でも一定の成果は出していますが、全産業平均と同等以上まで改善されない限り、今後も最大要因を継続していくものと考えられます。
森林組合については↓こちら
森林組合って…、市や町の機関だと思ってたけど、任意団体?株式会社?存在がよくわからないわ
研修での体験談
効率優先の現場で、自分自身での気づきや技能習得の機会が奪っている緑の雇用の講師(某会社社長)の衝撃発言。
— イチ | 山で働いて4年目🌲 | 趣味は水族館🐙 (@rnebO44W2E9m2RU) August 10, 2023
「うちは社員にチェーンソーの刃を研がせてない。朝3本渡してダメになったら取り替えさせる。仕事終わりに会社の機械で研ぐ。金銭が発生するのは木を切ったときだけ。だからその時間を長くする」
めっちゃ合理的なんですが、なんか、なんだろうこの感覚...笑
とも言えるのではないでしょうか。
3年間での離職状況
森林組合で勤務されていた(退職済み)方々のインタビュー記事が有りました。 緑の雇用研修期間中の離職状況について、たしか、緑の雇用の研修1年目は参加者が34人ぐらいいたんですけど、最後の3年目になると17人ぐらいで半分以上に減っていました
また、高い離職率に対する管理職の認識についても言及されています。...3年で半分くらい減りました。途中で研修に行かせてもらえない人もいれば、森林組合を辞めて他の事業体に入ったタイミングで研修に行けなくなった人もいるし、もう完全に林業じゃない世界に行ってしまった人もいますね
やばいとまでは思ってないかもしれないですね。そもそも職員の回転が速いというか、あちこちから転職してくる方もたくさんいるので、慣れちゃってる側面はあるんじゃないかなと思います
森林組合の体質
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以前、ある森林組合へ見学に行って、そこで組織や事業改革を行って業界的に話題になった方から話を聞く機会があったんですけど、その方はもともと別の業界に勤めていたみたいなんです。地元に戻ってきて森林組合に入ったら、『ここは大正時代か?』みたいな感じだったらしくて。そういう外の世界も知ってるような人が管理職やトップに就いたほうがいいと思うんですよね
森林組合の方に期待することって"外の世界"を知ることなのかも。それも林業と全然関係ない、一般的なビジネス手法やマーケティングのことをもっと勉強していくのがいい気がします
まとめ:今後の改善方向
外部視点の欠如は、現役で働かれている職員・社員の認識次第で、早期の着手・改善が見込めるのではないか
と私は考えております。
その改革の必要性を主張する知事の投稿から、今回はタイトルの一部に引用しました。
さいとう知事については以前にも取り上げています↓全国知事会議において、森林管理施策の根本的な課題について問題提起を行いました。戦後の木材不足解消を目的に国主導で開始された分収造林事業は、「育てた木材が高く売れる」という前提で組み立てられた収支計画が事実上破綻しています。全国都県で約8200億円の借金を抱える深刻な状況となっています… https://t.co/gvCLKSAhIC pic.twitter.com/WRBpfcVvzI
— 兵庫県知事 さいとう元彦 (@motohikosaitoH) July 24, 2025

民度はどうなってんだ?
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