「緑の雇用」、希望と失望の現実③～緑の雇用の研修体系とメリデメ～

※こちらの画像はLeonardo.Aiより生成

前回は「緑の雇用」事業の成果を取り上げてみました↓

「緑の雇用」、希望と失望の現実②～データで見る「緑の雇用」の成果～

今回は、未経験者を林業のプロフェッショナルへと育成する研修システムとメリット・デメリットを綴ってみます。

研修体系（キャリアアップ段階）

林業労働力の確保の促進に関する法律に基づき都道府県知事の認定を受けた林業事業体に対し、新規就業者を雇用して行う研修等に必要な経費を支援します。

出典：南牧村森林組合「雇用について」 nanmori.jp/pages/26/

STEP01. トライアル雇用研修

期間：短期間
内容：林業の基本的な体験と適性確認
目的：林業に適性があるかの判断

STEP02. 林業作業士（フォレストワーカー）研修

期間：3年間
内容：基本的な林業作業技術の習得
取得可能資格：チェーンソー作業、林業架線作業など

STEP03. 現場管理責任者（フォレストリーダー）研修

期間：追加研修（対象者は5年以上）
内容：現場管理能力の向上
役割：小規模チームのリーダー

STEP04. 統括現場管理責任者（フォレストマネージャー）研修

期間：追加研修（対象者は10年以上）
内容：経営管理能力の習得
役割：現場全体の統括管理

研修の特徴

働きながら学べる仕組み

段階的なキャリアアップ

実践的な技術習得

安全教育の徹底

STEP02の研修を今年6月から始められた方の伐採動画です↓

メリット・デメリット徹底比較

多くのメリットがある一方で、検討すべき課題もあります。客観的に比較してみましょう。
↓クリックすると拡大します。

※こちらの画像はClaudeより生成

デメリットについては、
緑の雇用に限った話ではなく、林業そのものを指している感がありますね。

確かに危険を伴う作業が多く、体力的な負担も大きいのが林業です。また、天候に左右されるため、収入が不安定になりがちという側面もあります。
これらの課題が、若い世代が林業に飛び込むことをためらう要因の一つとなっています。

さらに、木材価格の低迷は、林業経営を圧迫し、長期的な投資を困難にしています。国内の需要拡大や、新たな木材製品の開発など、経済性の向上に向けた取り組みが不可欠です。

しかし、これらの課題は、裏を返せば、これからの「緑の雇用」をより魅力的にしていくための伸びしろとも言えます。
次回は、緑の雇用制度が直面している課題と今後の改善方向について考察します。