J-クレジットっていう日本の制度があるんだけど、説明読んでもよくわからないから、カネのチカラで人間に環境保全させる制度って解釈してる

林業の仕事を始めようと思い立った時に耳にした↓こちら、国内限定の排出権取引制度。

出典：エバーグリーン・リテイリング「環境価値を取引する3種類の証書(Ｊクレジット制度・非化石証書・グリーン電力証書)とは？活用方法についてご紹介します。」 egmkt.co.jp/column/corporation/810/

調べてみたので、今の時点での理解を備忘録としてここに残しておきます。
ちなみに
林業を始めようと思い立った時については↓こちらで綴っています。

スラッシュキャリア？パラレルキャリア？ポートフォリオキャリア？🤔

J-クレジット制度とは（ざっくり理解）

一言で言うと：森林管理でCO₂を吸収した分を、証明書にして売れる制度 更に簡単に言えば
地球に良いことをしたご褒美にもらえる、特別なポイント（お金になる！）
です。
このポイントは、欲しがっている企業（CO₂を減らしたい会社とか）が買ってくれるので、お金になります。

林業とどう関係があるのか？

林業は、木を育て、間伐して、森の状態を良くする仕事。
健康な森はCO₂をたくさん吸ってくれるので、ちゃんと手入れされた森は、
CO₂の吸収量が増える＝環境に良いこと
になります。

その「環境に良いこと」に価値をつけてお金にするのが、J-クレジットという制度です。
つまり、
今まで当たり前にやっていた山の手入れが、うまくいけば、木材を売る以外の新たな収入にも繋がるということです。

クレジットはどうやってもらうのか？

ここがちょっとややこしいところです。簡単に流れを書いておきます。

難しそうなところ・気になること

正直、林業初心者の私から見ると、かなりハードルが高そうです。 ただ、国や自治体が支援制度や補助金を用意していることもあるので、そこを調べて活用すれば、現実的にできるのかもしれません。

林業関係者として押さえておくべきポイント

実際の手続きフロー（林業事業者目線）

Phase 1：計画立案・準備

所要期間：3-6ヶ月
1. 森林簿の整理

所有地の境界確定

樹種、林齢、面積の正確な把握

過去の施業履歴の整理

2. 森林経営計画の策定

今後10年間の施業予定

CO₂吸収量の算定根拠

持続可能性の証明

3. 認定機関との打ち合わせ

書類作成の相談

概算費用の確認

スケジュールの調整

Phase 2：申請・審査

所要期間：6-12ヶ月
1. 申請書類の作成

プロジェクト設計書（PDD）

森林管理台帳

CO₂吸収量計算書

モニタリング計画書

2. 第三者認証機関による審査

書類審査

現地調査

修正対応（通常2-3回は修正が入ります）

3. 国による最終認定

最終的な書類チェック

認定証の発行

Phase 3：運用・管理

継続的な作業
1. 定期モニタリング

年1回の現地調査

成長量の測定

施業実績の記録

2. クレジット発行申請

通常年1回

実績報告書の提出

第三者による検証

3. 販売・取引

取引レジストリへの登録

買い手との交渉

売買契約の締結

経済性の現実（シビアな話）

収入側

費用側（現実的な数字）

初期費用：100-300万円
┗ コンサル費用：50-150万円
┗ 審査費用：30-80万円
┗ 測量・調査費：20-70万円

年間維持費：20-50万円
┗ モニタリング費用：10-30万円
┗ 報告書作成費：5-15万円
┗ 認証機関費用：5-10万円

損益分岐点の計算（概算）

年間収入 10ha × 10 t-CO2/ha/年 × 1,500円 = 150,000円/年
年間費用 約350,000円（維持費 + 初期費用の償却）

結論：この条件では赤字になります

採算性を改善するための戦略

1. 規模の拡大

最低でも50ha以上は必要かもしれません

複数の森林所有者との連携

森林組合単位での取り組み

2. 付加価値の向上

生物多様性保全の付加価値

地域貢献ストーリーの構築

企業との直接契約による高値販売

3. 費用の削減

複数プロジェクトでのコンサル費用分散

デジタル技術活用による効率化

行政支援制度の最大活用

林業事業者として知っておくべきリスク

事業リスク

1. 価格変動リスク

クレジット価格の大幅下落の可能性

需要減少による市場縮小

2. 制度変更リスク

認定基準の厳格化

新たな規制の導入

3. 自然災害リスク

台風、山火事等による森林被害

保険でカバーしきれない損失

技術的リスク

1. 測定精度の問題

CO₂吸収量の算定誤差

モニタリング技術の限界

2. 長期管理の困難性

数十年にわたる継続管理

世代交代時の引き継ぎ問題

今後の展望（個人的考察）

制度改善の動向

デジタル化の推進：衛星データ、ドローン活用による効率化

手続きの簡素化：小規模事業者向けの簡易制度を検討中

価格安定化：長期契約の普及、価格下支え制度の議論

林業界への影響予測

まとめ

「J-クレジットってなんだ？」というレベルの私には、これが今の精一杯の理解と情報収集です。
数値なども調べてみたものの、不正確な可能性も否めないため、今後も情報収集は継続中です。また、制度の詳細や市況は変化が激しいので、何か新しい情報があれば追記や別投稿していく予定です。

今回のタイトル、こちらから引用しました。

J-クレジットっていう日本の制度があるんだけど、
説明読んでもよくわからないから、
カネのチカラで人間に環境保全させる制度って解釈してる。

— ҠعSႯunu~Ⴏu (@kesyunuyu) December 20, 2023